元邦ロックキッズがジャニーズに落ちた話をしようか
20歳前半までの私はロックバンドだけが好きだった。
BUMP OF CHICKENの藤原基央がライブの中で少し声を震わせながら歌う「一生今日が続いて欲しい」が好きだ。彼を見ていると、その言葉に嘘はないと感じるからだ。
10-FEETのTAKUMAの歌が好きだ。ダサくても一生懸命真っ直ぐに生きる事のかっこよさを教えてくれるからだ。
THE BLUE HEARTSの歌が好きだ。着飾らない歌詞が、どんなに苦しい時でも私を素直にしてくれるからだ。
泥臭く
人間臭く
音楽に真っ直ぐな人
私が愛してやまないのはそうゆう人ばかりだ。
だからジャニーズ事務所のアイドルがずっと苦手だった。
言葉を選ばず言うなら嫌いだった。
今思えば完全なる偏見である。
キラキラと笑顔を振りまきながら歌う姿に泥臭さはなく、
数多といるファンに対して愛の言葉を囁く姿は作り物のようで見え人間らしさを感じられず、
作ってもらった歌をニコニコと歌ってるだけでしょう?
と
数年前の私、本当に殴りてぇ
そんなアンチジャニーズの私のゴリゴリに凝り固まった偏見を、ハンマーで粉砕するようなアイドルと出会ったのである。
泥臭く
人間臭く
音楽に真っ直ぐなアイドル
本当にアイドルのうちに出会えてよかった。
(渋谷さんについて話す際に敬意を表したいという気持ちも山々なのだけれど、申し訳ない、ここから先は私が普段呼んでいる"すばるくん"という表記にさせて頂きたい。)
そもそも歌番組はおろか、バラエティやドラマ等のテレビ番組も滅多に見ない、故に天下の嵐さえ全員の名前が言えない、関ジャニ∞に至っては村上くんしか知らない、もちろんジャニーズの曲は聞こうともしない私が何故すばるくんに出会えたのか。
(余談だが、これほど芸能界に疎い人間すら認知されている村上くんの底力たるや、あっぱれである。)
事の始まりは関ジャムである。
地上波のテレビ番組にRIZEのベーシストkenkenが出演すると言うのである。
そう、あのベースでピンク・レディーのUFOをアレンジしたり、片手でベース弾いたりする超ロン毛の変態である。彼は最高だ。2016年のことである。
関ジャニ∞ファン、eighterならみんな大好きジャムセッション、その日披露されたのは関ジャニ∞とギター斎藤誠、ベースkenken、ドラムSATOKOの超豪華メンバーでのズッコケ男道だった。
正直に言うとそれぞれのプロのソロは圧巻のものだったが、彼らと関ジャニ∞の音のぶつかり合いのような、私にとってはあまり聞き心地の良いものではなかった。それでも、大好きなkenkenが出演しているにも関わらず、楽しそうに歌い、ハーモニカを奏でる1人の人間に目を奪われたのである。
それがすばるくんだった。
(何だかめちゃくちゃ楽しそうに音楽をする人がいる、あれは誰だ?気になる)
と思ったものの、そもそも全く芸能界を知らない人間である。その時は関ジャムが関ジャニ∞の冠番組であることすら知らなかったのだから、
(あの人誰なの?これ関ジャニ∞の番組なの?あの人も関ジャニ∞のメンバー??え、ジャニーズなの???)
ここからのスタートである。eighterに至るまでの道のりは長い。
だがその1回以来、関ジャムの番組のファンになった私は毎週録画で見ていくうちに、少しずつメンバーの名前を覚えることとなる。
そして時は流れ2017年の夏、たまたまCDショップのワゴンセールの片隅にあるDVDが目に入った。
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映画、味園ユニバース、50%offだった。
(これ歌上手いすばるくんの映画や!安っ!!!買っちゃおう。
え
え、何これ
歌うまぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!
かっっっっっこいい!!!!!!!!!!!!!!
好きぃぃいいいいいい!!!!!!!!!!!!)
見事に沼にドボン。
新規赤色eighterの爆誕である。
そこから毎日のように円盤を買い漁り、今はCDショップで売られてない初回盤はBOOK・OFFを巡り、既出の音源・映像作品を全て揃えるまでわずか1ヶ月、湯水のように使うお金約30万円。アラサー独身社会人の底力である。
知れば知るほどすばるくんが好きになっていくと同時に、関ジャニ∞全員が愛おしくなっていった。泥臭くて、人間臭くて、音楽に真っ直ぐな人達ばかりだった。気が付けば箱推しである。惚れたもんだから仕方ない。
彼らがいかに素晴らしいかは、きっと私なんかよりよく知っている人が大勢いて、愛に溢れた言葉で表現され尽くしていることかと思うので割愛させていただく。
毎日の様にテレビを見て、週末にはスバラジを聞き、少しでも時間が開けばDVDを見て笑う。13年分の関ジャニ∞を数ヶ月で見尽くすのに暇な時間なんてなかった。一切の誇張なく関ジャニ∞漬けの毎日を過ごした。
そして彼らを知れば知るほど、過去の自分を恥じた。
私はジャニーズというだけで偏見を持ち、何も知らないくせに彼らを無意識のうちに下に見ていたのだと思い知った。
彼らは並ならぬ努力をし、その上で辛い顔すら見せず笑っていたのだ。むしろ何も知らない人間に血の滲む程の努力を感じさせないほど、余裕にさえ見せていた彼らの思う壷だったのかもしれない。
アイドルをする彼らを見たくて、すばるくんの歌を生で聞きたくて、生まれて初めてファンクラブにも入った。(Pay-easyって何だよ、クレジットカードで払わせてくれよと思ったが、先輩方はもっと大変だったらしいことを最近教えて貰った。)私が入会したタイミングでは既にJAMのツアー中で、そのチケットを取ることは叶わなかったが、来年のツアーこそはジャニーズのライブデビューしようと心に誓った。
既にお気付きの方もいるだろう。
私は渋谷すばる推しのeighterながら、関ジャニ∞のすばるくんを直に見ることは叶わなかったのである。
私の心に最初に出た想いは
(あぁ、間に合わなかった。)
だった。
もう少し早くファンクラブに入会していれば
もう少し早くすばるくんに出会っていれば
味園ユニバースを劇場公開の時に見ていれば
私がジャニーズに対してくだらない偏見を持っていなければ
今更どうしようもないタラレバをグルグルしたってすばるくんが関ジャニ∞から脱退する事実は変わらない。後悔してもしきれないとはこの事で、涙が枯れるなんて言葉は嘘のようで仕事は1日休んだ。
でも絶望的な会見の中、
すばるくんは真っ直ぐ前を見つめていて、関ジャニ∞のメンバーは整理がついたようなつかないような自分達さえ複雑な状態でも一生懸命言葉で伝えてくれていた。関ジャニ∞は全員死ぬほどかっこよかったのだ。落ち込めばいいのか惚れ直せばいいのか、感情がこんなに支離滅裂な事なんて後にも先にもない。
あの日の関ジャニ∞は、私の大好きなBUMP OF CHICKENのように嘘がなく、10-FEETのようにガムシャラで、THE BLUE HEARTSのように真っ直ぐだった。
こんな時でも関ジャニ∞は泥臭くて、人間臭くて、真っ直ぐな、素敵なアイドルだった。
あぁ、好きだなぁーーーーーー寂しいなーーーーーーーーーーーーーーー寂しいけど本当に最高にカッコイイ人達だなぁーーーーーーーーー大好きだなぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
悲しくて寂しくてTwitterを見ている中で「関ジャムがなければすばるくんは音楽の道に突き進むことは無かったんじゃないか、ずっと関ジャニ∞でいてくれたんじゃないか」というツイートを見かけた。
確かにそうかもしれない。
でも私は関ジャムがなかったら
すばるくんに出会うことも無く
関ジャニ∞の素晴らしさに気付くことも無く
ジャニーズに対してくだらない偏見を持ったまま
全く違う人生を歩んでいたのだろうと思う。
そう考えると、
私はすばるくんのアイドルの姿を見るのには間に合わなかったけれど、アイドルのすばるくんに出会うのにはギリギリなんとか間に合ったのだ。
世の中に素晴らしいアイドルはたくさんいるけれど、
私の凝り固まった偏見をぶち壊す破壊力のあるアイドルは後にも先にも"渋谷すばる"ただ1人にしかできなかったと思う。
すばるくんが私のジャニーズの偏見を粉砕してくれたおかげで、今やジュニア情報局も課金済の立派なジャニヲタである。なにわ男子、可愛いね。SixTONESもSnow Manも大好き。
すばるくんがアイドルを辞めて1年が経とうとしているのに、私はまだジャニヲタをやっている。
すばるくん、アイドルのうちに私と出会ってくれてありがとう。
元々ロックバンドキッズだった私、好きなバンドは4年ライブやらなかったり、3年以上アルバム出さなかったり、10年活動休止したり、メンバーが失踪したりなんで、待つのは慣れてます。いつか目の前で歌う渋谷すばるに会えますように。